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まだPEST分析? 未来を読み解く最強の地図「STEEPLE分析」超入門

未来を読み解く地図「STEEPLE分析」

こんにちは!PORSEO運営のShunです。


突然ですが、あなたが新しい事業やマーケティング戦略を考えるとき、まず何から始めますか?


きっと多くの人が、

「競合のA社はどんな商品を出してるかな?」

「お客さんにアンケートを取ってみよう!」といった感じで、自分たちの身の回りから情報を集め始めるんじゃないかと思います。


もちろん、それもすごく大事なことです。

でも、ちょっと待ってください。

そのやり方、もしかしたら大事なことを見落としているかもしれません。


私たちがビジネスという船を漕ぎ出そうとしている海は、

自分たちではコントロールできない「天候」や「潮の流れ」に大きく影響されますよね。

知らないうちに新しい法律ができていたり(突然の嵐!)、世の中の価値観がガラッと変わっていたり(予期せぬ追い風?)。


こうした「世の中の大きな流れ」を無視して、自分たちの船のことだけ考えて一生懸命オールを漕いでも、あらぬ方向に流されてしまったり、最悪の場合は転覆してしまったりするかもしれません。


「とはいえ、世の中の動きを全部チェックするなんて無理だよ!」

「毎日ニュースを追うだけでも大変なのに!」


その気持ち、めちゃくちゃよく分かります。


というわけで、今日はそんなあなたのために、複雑な世の中の動きを整理して、未来を読み解くための「魔法の地図」とも言えるツール、

「STEEPLE(スティープル)分析」について、世界一分かりやすく解説していきたいと思います!


このステップの目的と重要性:なぜ「昔の地図」では遭難するのか?

「PEST分析なら聞いたことあるよ」という方も多いかもしれませんね。

そう、ビジネスを取り巻く環境を、Political(政治)、Economic(経済)、Social(社会)、Technological(技術)の4つの視点で見る、あの有名なフレームワークです。マーケティングの神様、コトラー先生もその重要性を説いています。


でも、正直に言うと、現代のビジネス環境は、PEST分析が生まれた頃とは比べ物にならないくらい複雑になっています。


これをものすごくざっくり言うと、昔のRPGの装備のまま、最新の超難関ダンジョンに挑むようなものなんです。

そりゃ、すぐにゲームオーバーになっちゃいますよね。


そこで、PEST分析は時代に合わせて進化を遂げました。

まず、Legal(法律)と Environmental(環境)が加わって「PESTLE分析」になり、さらに Ethical(倫理)が加わって、現代の最強バージョンである「STEEPLE分析」が誕生したのです。


なぜ、この3つの要素が追加されたのでしょうか?


例えば、「個人情報保護法(法律)」のルールを知らずに顧客データを扱ってしまったら、会社の信用はガタ落ちです。

「サステナビビリティ(環境)」への配慮がない商品は、若い世代からそっぽを向かれてしまうかもしれません。また、いくら合法でも「この会社のやり方って、ちょっとズルくない?(倫理)」と思われたら、SNSであっという間に炎上してしまいます。


昔の地図(PEST)では見えなかった、こうした新しい「岩礁」や「海流」をしっかりと捉える。

それが、STEEPLE分析の目的であり、私たちがビジネスという航海で遭難しないために不可欠な理由なのです。


基本的なワークフロー手順:意外と簡単!「魔法の地図」の作り方

「うわ、分析項目が7つに増えて、余計に大変そう…」と思いましたか?


大丈夫、安心してください。一つひとつは難しくありません。

料理のレシピみたいに、順番に進めていきましょう。部門の垣根を越えて、みんなでワイワイやるのが成功のコツですよ。


【ステップ1:目的を決める】〜何の料理を作るか決める〜

いきなり情報収集の海に飛び込んではいけません!まずは「何のためにこの分析をするのか?」をハッキリさせましょう。

「新商品の開発のため?」「5年後を見据えた経営計画のため?」目的がシャープになれば、集めるべき情報も自然と絞られてきます。


【ステップ2:情報を集める】〜新鮮な材料を買いに行く〜

目的が決まったら、STEEPLEの7つの視点に沿って情報を集めます。政府の統計データ(e-Statとかオススメです)、信頼できる調査会社のレポート、業界専門誌など、できるだけ客観的な「事実」を集めるのがポイントです。


【ステップ3:事実と意見を分ける】〜野菜と肉は、ちゃんと別の皿に置く〜

これが、分析で一番大事なルールかもしれません!集めた情報を「事実」と「あなたの意見(解釈)」に厳密に分けましょう。

  • ダメな例(意見): 「最近の若者は環境意識が高い」

  • 良い例(事実): 「Z世代の70%が、環境に配慮した商品には少し高くてもお金を払うと回答(〇〇調査, 2024年)」

意見が混ざると、分析がただの「願望」や「思い込み」になってしまいます。気をつけてくださいね!


【ステップ4:機会と脅威に分類する】〜この食材は、甘みになる?それとも苦み?〜

集めた「事実」が、「自社にとって」チャンス(機会)なのか、それともピンチ(脅威)なのかを考えます。

例えば、「円安が進む」という事実は、海外から材料を輸入している会社にとっては「脅威」ですが、海外に商品を輸出している会社にとっては大きな「機会」になります。必ず「自社にとっては」という視点で考えるのがミソです。


【ステップ5:優先順位をつける】〜どの食材から先に火を通すか決める〜

すべてのチャンスやピンチに一度に対応するのは不可能です。そこで、「影響の大きさ(大・中・小)」と「いつ頃起こりそうか(短期・中期・長期)」の2つの軸で、優先順位をつけます。

「すぐに対応すべき、ヤバい脅威」や「絶対に掴みたい、大きなチャンス」が、これで一目瞭然になります。


【ステップ6:戦略に繋げる】〜最高のレシピを完成させる〜

分析して「ふむふむ、なるほど」で終わったら、一番もったいないです!

このSTEEPLE分析の結果を、有名な「SWOT分析」に繋げてみましょう。STEEPLEで見つけた「機会」と「脅威」を、SWOT分析のOとTにそのまま入れるのです。そうすることで、「うちの会社の強み(S)を活かして、このチャンス(O)をどう掴むか?」という、具体的で力強い戦略が生まれてくるはずです。


このステップの一般的な課題:初心者がハマる「4つの沼」とその脱出法

とはいえ、理論通りに進まないのが世の常。STEEPLE分析には、初心者がハマりがちな「沼」がいくつかあります。事前に知っておけば、きっと避けられますよ。


沼1:情報収集が目的化する「分析マヒ」の沼

完璧な情報を求めて、いつまでも情報収集が終わらない状態です。「まだ足りない、もっと調べなきゃ…」と、分析レポートを作ること自体が目的になってしまいます。

脱出法:80点でいい、と割り切ることです。

分析はあくまで「行動」のための準備運動です。時間を区切って、「この時間内に集まった情報で次へ進む!」というルールを決めましょう。完璧な地図より、少し不完全でも前に進む勇気が大事です。


沼2:事実と願望がごちゃ混ぜになる「思い込み」の沼

「きっとこうなるはずだ」「こうだったらいいな」という自分の意見を、客観的な事実のように書いてしまう罠です。これは本当に危険です。

脱出法:すべての事実に「出典」を明記するクセをつけることです。

「その情報、どのニュースサイトに書いてあった?」「そのデータ、誰が調査したもの?」と自問自答することで、分析の客観性がグッと高まります。


沼3:結局「だから何?」で終わる「フワッと分析」の沼

「少子高齢化は脅威である」みたいに、誰にでも言えるような、漠然とした分析で終わってしまうパターンです。

脱出法:「だから、"うちの会社にとっては"何なの?」という魔法の言葉を付け加えることです。

「少子高齢化が進むから、うちのベビー用品事業にとっては脅威だけど、シニア向け健康サービス事業にとっては大きなチャンスだ」というように、常に自分事として具体的に考えるのがコツです。


沼4:作っただけで満足しちゃう「宝の持ち腐れ」の沼

立派な分析シートを作って、「やりきったぞ!」と満足してしまうパターン。分析は、行動に繋がって初めて意味を持ちます。

脱出法:最後の「戦略的示唆」の欄を絶対に空欄にしないことです。

「で、この分析結果から、私たちは明日から何をすべき?」という問いへの答えを、必ず一行でも書くようにしましょう。それが、分析と未来を繋ぐ架け橋になります。

というわけで、


今日は、未来を読み解く地図「STEEPLE分析」についてお話ししました。

STEEPLE分析は、未来を100%正確に当てる水晶玉ではありません。

ですが、不確実なビジネスの海を航海するための、めちゃくちゃ高性能な「天気予報」であり「海図」になってくれるはずです。


何より、「自分たちではどうしようもない」と思っていた世の中の大きな流れを、きちんと整理して、チャンスに変えるための武器を手にできるのは、とても心強いことだと思いませんか?


いきなり7つ全部を完璧にやろうとせず、まずは「S(社会)」や「T(技術)」など、自社に関係が深そうな項目を一つだけ選んで、チームで話してみるだけでも、きっと新しい発見があるはずですよ。


あなたのビジネスという船が、確かな航路を描き、大きなゴールにたどり着くことを心から願っています!

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